資格はあるけど経験なし。就職は難しいですか?

資格 経験なし 就職

資格と経験と就職のお話

就職を考える時、資格の取得を考える方は多いと思います。当事業所の利用者の方も就職をする時にはまず、資格の取得から考える人がほとんどです。

 

在宅の仕事は基本的にパソコンを使うので、例えば事務系の仕事だと『Word、Excelを使える方』といった条件が提示されることがあります。

 

それらの仕事に就きたいと思ったらWord、Excelを使えることを証明するために資格を取得するというのは当然の流れだと思います。

 

しかし、資格を取った後、求人に応募すると『経験なしだと難しいですねぇ。。。』といった理由で採用を見送られることもよくあります。今回は資格と経験と就職の関係について話したいと思います。

資格の種類

日本の資格は3,000種類以上あるといわれています。それらは大きく『国家資格、公的資格、民間資格』の3つにわけることができます。

 

国家資格とは試験の内容や合格の基準など資格の制度が法律で決められている資格で、その資格を取得することで特定の業務を行うことや、名前を使うことを法律が認めてくれる資格になります。

 

医師、弁護士、調理師など人気も高く、難易度も難しい資格が多いです。

 

民間資格と呼ばれるものは民間の企業や団体が独自に制度を設定できる資格になります。資格の水準や分野などが多岐にわたることから、特定の業界では実力の証明ができる資格です。

 

しかし、『○○資格』という名前だけのために講習料を数万円とるような資格商法に利用されるような資格もありますので、その資格がどのくらいの影響力があるかを学習する前に調べてみると良いでしょう。

 

WordやExcelの3級、2級などの資格は民間資格になります。

 

公的資格には特に決められた定義はありませんが、国家資格と民間資格の中間的なものなどがあります。ふぐ調理師や食品衛生責任者、防火管理技能者などがあります。

業務独占資格とは

資格 経験なし 就職

国家資格や公的資格の中には『業務独占資格』と呼ばれるものがあります。本来、仕事や商売というものは取引の一つなので、誰でも自由に行うことができるものです。

 

しかし、例えば医師や弁護士、裁判官などその業務によって人の命や権利が失われるような場合、その業務を自由に行えてしまうと取り返しのつかない事態になってしまいます。

 

そういった業務について『資格を持っていないとできないよ』と法律で決められている資格が業務独占資格です。こういった特性から業務独占資格を持っていると就職に強いといえるでしょう。

 

また、難易度が高ければ高い程、同じ資格を持っている人が少なくなるため、資格を持っているだけで仕事に繋がることも珍しくありません。

資格と経験はどっちが大事?

結論から言えば両方大事ですが、資格と経験は別ものと考えた方が良いでしょう。求人の募集要件などに必要な資格があればそれを持っていないとその仕事に就くことはできません。

 

資格を取ることは就職の選択の幅を広げることに繋がります。しかし、資格があれば就職できるかというとそう簡単にはいきません。

 

『資格を持っていること』と『仕事をこなすこと』は別の話であり、企業としては仕事をこなせる人、つまり経験のある人の方が魅力的に見えるからです。

 

応募する側からみれば頑張って取得した資格だったとしても、採用する側からみればそもそも資格を持っている人だけが応募してくるので、資格の有無よりもこれまでの経験や人柄、意欲などで判断するしかないのです。

 

実務経験というのはその業務をこなす能力だけではなく、長く働くなかで必要になる周囲の人とのコミュニケーション能力や問題解決能力、一般常識や社会常識を持っているということを示すこともできます。

まとめ

いかがでしたでしょうか。当事業所でも就職のために資格の取得を勧めています。応募できる求人の数が増えることは就職する可能性が上がるだけでなく、より自分の希望に沿った仕事を見つけることにもつながります。

 

しかし、資格を取るだけで簡単に採用されるわけではありません。『企業は人なり』という言葉があるように、仕事をする上で『この人と一緒に働きたいな』と思わせる人間力を身に着けることも大事です。

 

実務の経験がない方は訓練中、学生時代などこれまでの経験の中で出会った問題にどう取り組んだか、これから就きたい仕事を通して将来どのような人間になりたいかなどを伝えることで、人間性や熱意を伝えることができます。

 

資格の学習で大変な時もありますが、それと同時に自己分析やこれからの自分の理想像などを考え、人間力も同時に高めていきましょう。