仕事の人間関係でストレスを抱えてしまう原因と対策

仕事 人間関係 ストレス

仕事の人間関係で悩みを抱える人はたくさんいます。

学生生活を終えて就職をすると生活の舞台に職場が加わります。1日の3分の1以上を過ごす職場では同僚や上司など新しい人間関係がスタートします。気の合う同期や尊敬できる先輩や上司など良い人間関係もあれば、そうでない場合もあるようです。

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日本労働調査組合の2021年7月アンケートでは、『職場の人間関係に疲れている、悩んでいる』の割合が16.5%、『職場の人間関係にストレスを感じている』の割合が12.7%と全体の約3割が人間関係にマイナスのイメージを持っています。

 

また、『職場の人間関係を理由に退職・転職を考えたことがある』は全体の約6割にあたり、仕事の人間関係で悩みを抱える人は思ったよりもたくさんいることがわかります。

参照サイト:日本労働調査組合

人間関係の悩みの原因とは何か?

人間関係を作るためには相手とのコミュニケーションが必要です。

 

コミュニケーションの流れは

①自分の考えを言葉、態度、表情を使って相手に伝える。

②相手は言葉、態度、表情から考えを読み取る。

③相手も読み取った事柄について考えを同様に伝える。

④相手の言葉、態度、表情から考えを読み取る。

となります。

 

この4つの流れがスムーズに進んでいない場合、相手と分かり合うことが難しく、『人間関係に悩む』という結果を招いてしまいます。

 

コミュニケーションがつまづくポイント

コミュニケーションがうまくいかない時につまづいてしまっているポイントの一つ目には言葉の使い方や感情表現があります。

 

分かりにくい言葉を使ったり、主語を省略したりすると自分の考えがきちんと相手に伝わらず、誤解を生じてしまいます。また、表情や声によっても伝わり方が変わってきます。

 

アドバイスのつもりで言った言葉でも相手は文句をつけられたと思って怒り出してしまう場合には伝え方が悪かったのかもしれません。2つ目のポイントは価値観や性格など個性の違いです。

 

人はそれぞれ育ってきた環境が異なります。環境が異なれば常識や慣習といった価値観にも違いが出てきます。また、ポジティブな人、ネガティブな人では、同じ出来事に対しての捉え方が正反対です。

 

こういった原因から『自分の考えが相手に伝わっていない、理解してくれない』と感じてしまい『この人は苦手だ』という意識が生まれます。そうなると次はその苦手意識が感情に表れてしまい、コミュニケーションの悪循環に陥ります。

悩みを解決する方法

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世の中には何を言っても悪い風にしか受け取らない人や、相手を故意に陥れようとする性格の人もいますが、ほとんどの場合はコミュニケーションがうまくいかないことで人間関係が悪くなってしまいます。このようなコミュニケーションの悪循環を防ぐ方法はあるでしょうか?

 

コミュニケーションを改善する基本的な考え方は『自分でできることを何とかする』です。すでに出来上がっている相手の価値観や性格を変えることは至難の業です。それよりも自分の考えや行動を変えることの方が取り組みやすく、また効果も期待できるでしょう。

自分の考え方や行動を変えてみる

主語を省略したり、分かりにくい言葉を使ってしまう背景には『相手もわかっているはず』という思い込みがあります。家族や友人など共通する部分が多い間柄ではそれでも意味が通ります。しかし、職場の人間関係では仕事という共通点以外、何もわからない他人同士です。

 

伝えたいことを伝える前に『この言い方で相手に伝わるだろうか?』を考えてみるといいでしょう。新聞や雑誌をお手本に、相手が分かりやすい言葉を使う、『誰が何をどうした』がはっきりわかる伝え方を意識してみましょう。

 

相手のことがまだよくわかっていない場合は話す前に話の背景や状況を説明したり、『~についてはご存じですか?』など、こちらの話を受け入れる準備を相手にさせてあげることも大事です。

 

また、相手にネガティブな感情を抱いてしまい、それが表情や態度に出てしまっている可能性もあります。ネガティブな感情がおこるパターンとしては、

 

①相手に嫉妬心を持っている場合

②相手を信頼できない場合

 

などがあります。

 

嫉妬心がある場合、無意識のうちに相手のことにケチをつけ、相手を落とすことで心の安定を保とうとしている可能性があります。自分に嫉妬心がないかを問いかけ、ある場合は自分の嫉妬心を自覚し、そのうえで相手の良いところや優れているところを認め、それを学ぶ姿勢で接するなど、ポジティブな気持ちを心がけてみましょう。

 

信頼関係はこれまでの関係の積み重ねであり、すぐに構築できるものではないです。接する時間や回数が少ない人を信頼できないのは当たり前のことです。

 

『信頼できる関係』というのは本音で話し合うことができる関係と言えるでしょう。まず自分から心を開いて、相手が本音で話せる空気を作ってあげることは信頼できる関係への近道になるでしょう。

あきらめて回避する

どれだけ頑張っても分かり合えない人は存在します。相手のことを考えて自分を変える努力は必要ですが、その方法に悩んでストレスを抱え、体調を崩してしまっては本末転倒です。

 

先述の通り、ネガティブな感情をぶつけられている場合、嫉妬されている可能性があります。こちらが悲しんだり、落ち込んだりすると相手が喜ぶので出来る限り浮き沈みのない反応を心がけましょう。

 

また、反撃に出てしまうと相手の敵意を刺激してさらに状況が悪化する可能性があります。丁寧な態度で適度にかわしながら、相手があきらめることを気長に待ちましょう。

 

悪口や業務妨害など、もはや自分ではどうにもならないような状況になってしまった場合はひとりで抱え込まずに第三者の力を借りましょう。企業であれば人事部や信頼できる上司、同僚などに相談してみましょう。業務に支障が出ている事実を伝えれば物理的に距離を置くことも検討してくれるでしょう。

まとめ

いかがでしたでしょうか。人間関係の悩みを抱えている人はたくさんいますが、社会生活を営む上で人間関係を無くすことはできません。自分に関わりのある全員と良い関係を築くことは理想ですが、それは不可能です。

 

人間関係のメカニズムを掴んで、自分を変えることも、あきらめて回避することもどちらも効果的な対策になります。もし、人間関係で退職、転職をした場合でも、自分を責めずに冷静に分析して次の人間関係の構築に活かしていきましょう。